2024/09/13
カスタマーサクセスのキャリアパスは?身につくスキルと次のキャリア
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスとは、顧客が製品やサービスを最大限に活用することで顧客の課題解決に貢献し、ビジネス成功を実現できるよう能動的に支援する活動、あるいはそうした活動に取り組む役割・職種・組織を指します。
顧客のビジネス成功に向けて伴走しながら課題解決していく役割ですが、最終的には顧客が自走して課題解決していけるよう導くことを目指します。
また、カスタマーサクセスポジションを採用/配置する企業の目的はLTV(顧客生涯価値)の向上です。そのため、サービスの解約率低減やアップセル・クロスセルによる顧客単価増がカスタマーサクセス職のミッションとなります。
また、顧客のフェーズによって顧客のビジネス成功に向けた支援の内容が変わります。
1.オンボーディング
オンボーディングは顧客が実際に契約した後、サービスを社内に導入していく直後のフェーズです。サービスの解約率を抑える上でもっとも重要なフェーズとなります。
導入直後であるため、サービスの活用方法理解のための支援を中心とし、自社サービス利用への熱量が高いうちにオンボーディングプロセスを完了させることを目指します。
最初のキックオフミーティングにて顧客と共に自社サービスを利用して目指すゴールとそのゴール到達のための課題を整理し、認識合わせを行います。その後、整理した項目に従って、導入のためのステップとスケジュールを作成し、実行していきます。
2.アダプション
アダプションとは、導入後に本格的にサービスを運用・活用し、定着を行っていくフェーズです。顧客の自社サービスの活用度をヒアリングやデータを元にしてモニタリングし、必要に応じて適切な提案を行います。この工程の目的としては、サービス活用率が落ちており解約リスクのある顧客のフォロー(解約阻止)や、活用率を高めることでアップセルやクロスセル提案につなげることや、継続的に接点を持つことで解約リスクを低減するなどが挙げられます。
3.エクスパンション
エクスパンションとは、顧客の自社サービスの活用をさらに拡大するフェーズです。契約の更新や、顧客の利用単価を上げるためのアップセル・クロスセルがこのフェーズに含まれます。SaaSなどのサブスクリプション型サービスでは安価なプランからスタートし、活用度合を高めていく過程で上位の高価なプランに移行することや、一部の店舗や組織で活用をスタートし、活用度を高めていく過程で利用範囲を広げるということも多く、売上や利益を維持・拡大していくためにエクスパンションのプロセスが重要になります。
4.プロダクトへのフィードバック
カスタマーサクセス担当が介在することで顧客の課題解決に貢献し、ビジネスの成功に寄与することも重要な役割ですが、同時にサービスの価値最大化に貢献することも重要な役割です。顧客に継続的に接点を持ち、顧客インサイトを得ているカスタマーサクセスが機能追加や機能改善に意見をすることでサービスの価値最大化に貢献をします。
カスタマーサクセスのキャリアパスは?身につくスキルと次のキャリア
カスタマーサクセス経験者のその後のキャリアパス例を解説します
①同職種(カスタマーサクセス)へ転職し新たな経験を得る
もっとも多いパターンです。この場合、現職のカスタマーサクセスでは得られないが新しい環境で得たいもの、としては以下のようなパターンがあります。
・SMB中心のカスタマーサクセスからエンタープライズ向けのカスタマーサクセスへ
エンタープライズ向けのカスタマーサクセス経験者は市場に数が少ないという希少性と、エエンタープライズのシェアを取りたいと考えるSaaS企業が多く今後も増加傾向にある点と、エンタープライズ企業は顧客単価が高い傾向にある点からエンタープライズ向けのカスタマーサクセスは高い年収提示が見込めます。
また、一般的にSMB向けのカスタマーサクセスに比べてエンタープライズ向けのカスタマーサクセスはハイタッチ型のカスタマーサクセスでありよりソリューション型の提案営業スキルやコンサルティングスキルが身に着けやすいという点もあります。
このように、年収のアップやさらなるカスタマーサクセスとしてのスキルアップを求め、SMB向けカスタマーサクセスで培った関係性構築力や顧客の課題解決事例を武器にエンタープライズ向けのカスタマーサクセスへ転職するケースがあります。
・オンボーディング中心からエクスパンションも含むハイタッチ型へ
類似のケースとして、チャーンレートの改善を目的にオンボーディング業務を中心に行っている状況からエクスパンション業務も含むハイタッチ型へ転職し、新たにソリューション型の提案営業スキルやコンサルティングスキルを身に着けたいという志向で転職するケースがあります。この場合、転職先はエンタープライズを対象としたカスタマーサクセスでない場合も十分あります。より具体的な例としては業務支援系のSaaSから集客支援系SaaSへ転職することでコンサルティング力を高めたいという理由での転職もあります。
・バーティカルSaaSからホリゾンタルSaaSを扱うカスタマーサクセスへ
これは直接的な転職理由になるケースは少ないものの、転職をするのであればホリゾンタルに変えてみたい、という志向をお持ちの方は少なくありません。幅広い業界の知識を得ることでポータブルスキルを身に着けやすくなると考えている、知的好奇心から幅広く業界知識を得たいと考えている、などの理由からホリゾンタルSaaSへ転職するケースがあります。業界知識は入社後にキャッチアップできる部分であるためカスタマーサクセスとしてのスキルを武器に新しい環境へ転職を行います。
・成長が鈍化した企業から急成長企業へ
事業がスケールせず停滞感を感じた際により成長角度の高い企業へ移ることでリーダー/マネージャー経験の獲得や様々な機会を得るべく転職するケースがあります。
・成熟した企業で切磋琢磨したい
カスタマーサクセスの有識者が社内におらず、手探りでカスタマーサクセスチームを立ち上げ、一定落ち着いたタイミングで我流のやり方ではなく成熟したカスタマーサクセス組織でよりカスタマーサクセスとしての知識やスキルを身に着けたいという理由で転職するケースがあります。
②カスタマーサクセスチームのマネージャーになる
もっとも典型的な例はカスタマーサクセスのチーム内でもっとも高い成果を出し、その成果の出し方を型化しチームへ展開・浸透させていく過程でカスタマーサクセスチームのリーダーやマネージャーになっていくものです。
カスタマーサクセスチーム立ち上げのスタートメンバーとしてジョインし、自身のオペレーションを型化し採用メンバーに展開・浸透させていく過程でリーダーやマネージャーになっていくケースもあります。さらにフィールドセールスやインサイドセールスなどの経験も経て全体最適の視点や各ファンクションの現場感を養いながらセールスチーム全体を統括する立場やセールスにマーケティングを加えビジネスサイド全体を統括するプロダクトマーケティングマネジャー(PMM)、事業全体と統括する事業責任者を目指していくルートがあります。
③カスタマーマーケティングへのキャリアチェンジ
カスタマーサクセス立ち上げ期などにおいてはカスタマーサポートの省力化(FAQの充実化やチャットボットの導入など)を実施しながらオンボーディングプロセスを構築する、構築したオンボーディングプロセスをロータッチ化・テックタッチ化するなどカスタマーマーケティングへキャリアチェンジしやすい経験を身に着けられる環境です。
1対1で直接顧客と対話し、顧客の課題を特定してソリューション提案するスキルを高めながら1対Nでその提案をできる限り再現性を担保する形でのコミュニケーション設計をする経験を積むことでカスタマーマーケティングで活躍できるスキルが養われ、キャリアチェンジに繋がる可能性があります。
④PDMへのキャリアチェンジ
エンジニアのバックグラウンドがあり、カスタマーサクセスへキャリアチェンジした場合、カスタマーマーケティングへのキャリアチェンジ同様1対1での顧客への価値提供提案をプロダクトを通して1対Nにレバレッジをかけるためのプロダクトデザインが可能となり、PDMへのキャリアチェンジの可能性が生まれます。エンジニアのバックグラウンドが必要な理由としてはビジネス職とエンジニアをつなぐ役割であることからエンジニアと専門用語を交えて円滑にコミュニケーションが取れる必要があることと、プロダクト改善の際の実現可能性や工数感を理解するスキルが求められるためです。
このように、営業職の1つであるカスタマーサクセスは営業職同様その道を極めていくかマネージャーを目指していくか、というキャリアパスが標準的です。とはいえ、顧客の深いインサイトをもとにレバレッジを効かせる施策に携われるチャンスに営業職よりも恵まれていることからマーケティングやPDMへのキャリアへつながっている面があります。
9Eキャリアカスタマーサクセスでは中期的なキャリアプランもお聞かせいただきながら具体的なキャリアパスや求人の提案をさせていただきます。
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