2024年11月10日公開
最終更新日:2026年7月27日
投稿者:9Eキャリアカスタマーサクセス編集部

カスタマーサクセスとコンサルの違いは? 立場や役割の違い、求められるスキルや転職時のポイントを解説

近年、多くの企業で新設が目立つ職種の1つが「カスタマーサクセス(CS)」です。業務内容や役割がコンサルティングにも似ていることから、双方向のキャリアチェンジも増えています。

 

本記事では、カスタマーサクセスとコンサルティングの具体的な違いや共通点を解説します。コンサルからカスタマーサクセスへ転職する際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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カスタマーサクセスとコンサルティングの様々な違い

カスタマーサクセスとコンサルティングは親和性が高いものの、根本的に異なる職種です。ここでは、5つの項目に分けて具体的に何が違うのかを見ていきましょう。

 

1.基本的な定義

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客が自社の製品・サービスを効果的に活用し、最大限の価値を得られるようサポートする活動や職種を意味します。和訳である「顧客の成功」の通り、顧客が自社商品・サービスの利用を通して得る成功体験の最大化を目指します。

 

対するコンサルティング(Consulting)とは、専門知識を持つコンサルタントがクライアントに課題解決のための戦略を提案する活動です。また、コンサルティングは、会社によって対応領域が違います。経営戦略から業務改善まで総合的にサポートする会社もあれば、IT・Web系・財務・医療・マーケティングといった特定の分野を専門的にカバーする会社もあります。

 

2.立場と役割

カスタマーサクセスは、社内の人員が務めるケースが一般的です。社内にカスタマーサクセス部門や部署を設置し、自社商品・サービスによる顧客の課題解決をサポートします。主な役割は、顧客満足度や顧客生涯価値(LTV)の向上、顧客との中長期的な関係継続による自社の利益拡大です。なお、社内に専任部門を設置せず、カスタマーサクセス代行サービスを利用する場合もあります。

 

一方、コンサルタントは多くの場合コンサルティングファームに所属し、依頼を受けたクライアントの企業に入り込みます。主な役割は、クライアントの課題解決に向けた戦略の提案および実行支援です。組織改革、業務改善、コスト削減、人材教育、事業再生など、クライアントの課題や目標に適した戦略を考案し、専門的なノウハウを提供します。

 

加えて、プロジェクトや施策における主導権の所在も異なります。カスタマーサクセスは、あくまで自社プロダクトの活用を促す立場であり、最終的な意思決定や方針の主導権は顧客側にあります。顧客と伴走しながらも、主体は顧客自身です。一方、コンサルティングでは、専門家としてコンサルタントが戦略や方針決定の主導権を握ることが一般的です。クライアントは専門家の提案を尊重し、それに沿って組織を動かしていきます。

 

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3.業務内容

カスタマーサクセスの業務内容は、顧客への能動的なサポートです。初期段階では、製品の導入や初期設定、操作方法を支援する「オンボーディング」や、顧客が製品を活用するための「製品トレーニング」といった業務を行います。また、製品の利用状況を調査し、顧客を継続的に支援することで顧客との信頼関係を構築します。加えて、上位製品を購買してもらう「アップセル」や、関連製品を購買してもらう「クロスセル」の提案も欠かせません。顧客の単価と利用期間を伸ばし、顧客生涯価値を上昇させることもカスタマーサクセスの重要な業務です。

 

コンサルタントの業務内容は、クライアントの課題解決に向けた全般的な施策です。はじめにクライアントへ課題をヒアリングし、現状を調査します。具体的には、市場調査や競合他社のリサーチ、クライアントの顧客データの定量・定性分析といった調査が必要です。調査結果をもとに実現可能な戦略を提案し、施策の実行支援およびスケジュール管理を行います。なお、各種施策を実行するのはコンサルタントではなく、クライアント自身またはアサインした外部の協力会社です。

 

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4.対価が支払われる対象

カスタマーサクセスの対価は、自社商品・サービスの利用料金として支払われています。企業は顧客との中長期的な関係構築による利益拡大のため、商品・サービスの付加価値として顧客サポートなどの活動を提供しています。したがって、カスタマーサクセスの活動そのものに対価が発生しているわけではありません。

 

反対に、コンサルティングの場合、対価はコンサルタント自身に対価が生じています。顧客はコンサルタントの専門知識やノウハウに対して料金を支払い、各種支援を受ける仕組みです。

 

5.職務としてのゴール

カスタマーサクセスの職務上のゴールは、顧客の継続利用による自社利益の向上です。そのため、顧客満足度と顧客生涯価値を高める施策が必須となります。顧客満足度は、顧客の悩みや課題に寄り添い、自社の商品・サービスを最大限に活用できるように支援して向上を目指します。一方で、顧客生涯価値を上げるためには、自社商品・サービスの継続利用に加え、アップセル・クロスセルによる単価向上も不可欠です。

 

対するコンサルタントの職務上のゴールは、コンサルを依頼されたプロジェクトの成功です。プロジェクトの成功とは、クライアントの課題解決を指します。戦略が計画通りに実行されているか、目標の数値を達成したかを評価し、プロジェクトの成功度を計ります。コンサルタントはプロジェクト単位で異なるクライアントと関わるため、カスタマーサクセスと比べると顧客との関わりは短期的です。ただし、戦略実行後の定期フォローもサービスに含める場合、顧客と中長期的な関係を構築します。

 

6.課題解決のタイムラインとインパクトの違い

カスタマーサクセスとコンサルティングでは、課題解決にかかる時間軸(タイムライン)と、解決によって顧客にもたらされる成果の大きさ(インパクト)にも、構造的な違いがあります。

 

カスタマーサクセスは、自社サービスの利用を前提とした特定の課題を最速で解決することを目指します。顧客側でアクションが止まらないよう伴走し続けることで、課題解決までのスピードを短くできる点が強みです。ただし、解決できる対象はあくまで「自社サービスの利用範囲内の問題」に限られます。そのため、顧客が抱える複合的な課題のうち、特定の一つを解消するにとどまるケースが多く、解決によって顧客が得られるメリットは現場レベルに限定される場合があります。

 

対するコンサルティングは、課題を構成する複数の問題を分解・整理し、顧客自身が気づいていない深層の問題にまでアプローチします。使用するツールや手段を限定しない分、調査・分析・戦略立案に一定の期間を要し、タイムラインは長くなりがちです。しかしその分、課題が根本から解消されるため、解決時に顧客が感じるインパクトは大きく、組織全体に及ぶ成果をもたらすこともあります。

 

なお、この違いはカスタマーサクセスの「ライトサクセス(現場レベルの小さな成功体験)」と「ディープサクセス(組織全体に波及する大きな成功体験)」という概念にも通じます。カスタマーサクセスはライトサクセスを積み重ねながら、いかにディープサクセスへ導けるかが重要な課題となっている一方、コンサルティングははじめからディープサクセスを目的として動く点が、両者のアプローチの根本的な違いといえます。

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求められるスキルや適性の違い

黄色のハニカムパターンと「SKILLS」や「LEARNING」などの英字

カスタマーサクセスとコンサルティングでは、業務上必要となるスキルや適正にも違いがあります。それぞれの求められる資質について解説します。

 

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは顧客から深い信頼を得る必要があるため、長期的な信頼関係を構築・維持するコミュニケーションスキルが重要です。また、顧客が抱えている悩みに気づく課題発見力や、顧客の立場になって気持ちを汲み取る柔軟性も求められます。こうした資質は、顧客から相談されやすい関係性の構築に役立ちます。さらに、顧客へ的確な提案をするため、関連サービスまで含めた自社プロダクトに関する知識や他部門との連携力も欠かせません。

 

コンサルティング

コンサルティングは、自社が対応する領域に関する専門知識が必須です。たとえばITコンサルタントであれば、IT領域に関する深い知見やノウハウ、最新のトレンドまで把握している必要があります。クライアントのサービス・商品や業界の特徴を理解しようとする学習意欲も大切です。加えて、クライアントへ最適な戦略を提示するためには、課題解決力・論理的思考力・プレゼンテーション能力も重要になります。また、クライアントと多くのやり取りをするため、高いコミュニケーションスキルが求められるでしょう。

 

年収や報酬体系の違い

年収や報酬体系の違い

キャリアチェンジを検討する際、年収や報酬体系は最も気になるポイントの一つではないでしょうか。ここでは、カスタマーサクセスとコンサルタント、それぞれの年収レンジやインセンティブの仕組み、評価に繋がる指標などを具体的に比較していきます。

 

カスタマーサクセスの年収と評価指標

カスタマーサクセスの平均年収は、一般的に400万円〜900万円のレンジにあり、経験や役職、特に外資系企業などでは1,000万円を超えるケースも珍しくありません。年代別では20代で約400〜500万円、30代では500万円〜700万円が目安となります。

 

報酬は企業の業績や個人の目標達成度に応じて変動する賞与やインセンティブが加わることが多いです。評価は、顧客の継続率(リテンションレート)や解約率(チャーンレート)、アップセル・クロスセルによる売上貢献(LTV向上)といった具体的なKPIに基づいて行われるのが特徴です。

 

コンサルタントの年収と評価指標

コンサルタントの年収は一般的にカスタマーサクセスより高い傾向にあり、特に大手戦略ファームなどでは20代で1,000万円を超えることもあります。報酬体系は年俸制が基本で、プロジェクトの成功やクライアントからの評価が賞与に大きく反映されます。

 

評価はプロジェクトごとの貢献度やクライアントの課題解決の達成度、ファーム全体の売上への貢献などが指標となります。個人の専門性や知見そのものが価値となるため、スキルと経験がダイレクトに報酬に結びつきます。

 

成果の評価軸(KPI)の違い

カスタマーサクセスとコンサルティングでは、それぞれの職務上のゴールが異なるため、成功を測る評価軸(KPI)にも明確な違いがあります。

 

カスタマーサクセスにおける主なKPIは、顧客が継続的にサービスを利用しているかどうか、そして利用の質が高まっているかどうかを示す指標が中心です。具体的には、解約率(チャーンレート)や顧客維持率(リテンションレート)、製品の利用率・活用度、NPS(ネットプロモータースコア=顧客が自社サービスを他者に勧めたいと思う度合い)、アップセル・クロスセル率、そして顧客生涯価値(LTV)などが代表的な指標として挙げられます。これらの指標はすべて、顧客が長期にわたって自社サービスから価値を得続けているかどうかを測るものです。

 

一方、コンサルティングにおける評価軸は、プロジェクト単位での目標達成度が中心となります。売上向上・コスト削減・業務効率化といった、クライアントのビジネス成果への寄与度や、設定したKGI(重要目標達成指標)の達成状況、クライアントからの満足度評価などが主な指標です。解決策の提案・実行後に効果を測定し、目標数値に対してどれだけ貢献できたかが成否を左右します。

 

このように、カスタマーサクセスは「顧客の継続・成長」を示す指標を、コンサルティングは「プロジェクトの成果達成」を示す指標をそれぞれ重視しており、評価の軸が根本的に異なります。キャリアチェンジを検討する際は、自分がどちらの評価軸に基づいて成果を出すことにやりがいを感じるかを考えることが、職種選びの重要な判断軸の一つになるでしょう。

 

カスタマーサクセスとコンサルティングのキャリアパスと将来性

カスタマーサクセスとコンサルティングのキャリアパスと将来性

どちらの職種も、その後のキャリアに繋がる貴重な経験を積むことができます。ここでは、カスタマーサクセスとコンサルタントそれぞれが、将来的にどのようなキャリアパスを歩めるのか、具体的な選択肢を交えて解説します。自身の長期的なキャリアプランを考える参考にしてください。

 

時間軸で見る役割の変化

カスタマーサクセスとコンサルティングの違いは、職務内容だけでなく、顧客との関係において「時間の経過とともにどのように役割が変化するか」という点にも表れます。

 

コンサルティングの役割は基本的に、特定のプロジェクトが完了した時点で終了します。クライアントの課題解決という目標が達成されれば、契約は一区切りとなり、コンサルタントは次のクライアントのプロジェクトへ移ります。もちろん、定期フォローを含めた長期契約を結ぶ場合もありますが、あくまでプロジェクト単位で役割が区切られる点がコンサルティングの基本的な性質です。関与の深さは高くとも、時間軸としては完結型の支援と言えます。

 

一方、カスタマーサクセスの役割は、顧客がサービスを利用し続ける限り終わりがありません。オンボーディングで導入を成功させた後も、活用定着の支援、アップセル・クロスセルの提案、そして顧客のビジネス環境の変化への対応と、フェーズに応じてサポートの内容を更新し続けます。顧客のニーズや組織の成長に合わせて伴走し続けることが求められるため、支援の形が常にアップデートされていくという特徴があります。

 

この違いは、それぞれの職種から積み上げられるスキルや経験の質にも影響します。コンサルタントは多様なクライアント・業界のプロジェクトを経験することで、横断的な問題解決能力を磨くことができます。カスタマーサクセスは特定の顧客やプロダクトと深く長く関わることで、顧客理解の深さと継続的な価値提供力を身につけることができます。これは次に説明するキャリアパスにも直結する重要な違いです。

 

カスタマーサクセスのキャリアパス

カスタマーサクセス経験者は、顧客との深い関係構築力やプロダクト知識を活かし、多様なキャリアを歩むことが可能です。

 

スペシャリスト/マネジメント:
ハイタッチ担当として専門性を極める、またはチームを率いるマネージャーや事業部長への昇進。

 

プロダクトマネージャー(PdM):
顧客の声を最もよく知る立場として、製品の企画・開発部門へキャリアチェンジ。

 

コンサルタントへの転身:
特定のプロダクトや業界知識を活かし、より上流の戦略立案を行うコンサルタントとして独立・転職。

 

フリーランス:

複数の企業のカスタマーサクセスを業務委託で支援する。

 

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カスタマーサクセスのキャリアパスとは?身につくスキルや次のキャリアを解説

 

コンサルタントのキャリアパス

コンサルタントは、高い問題解決能力と幅広い業界知識を武器に、多彩なキャリアを選択できます。

 

ファーム内での昇進:
アナリストからコンサルタント、マネージャー、パートナーへと昇進し、経営に携わる。

 

事業会社への転職:
経営企画、事業開発、マーケティング責任者など、事業の当事者として活躍の場を移す。PEファンドやベンチャーキャピタルの投資先で経営に参画するケースも多い。

 

カスタマーサクセスへの転身:
培った課題解決能力を活かし、SaaS企業などで顧客の成功に長期的にコミットする。

 

起業・独立:
自らの専門性を活かして独立し、コンサルティングファームを立ち上げる。

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カスタマーサクセスとコンサルティングの共通点

PCやタブレットを使用しながら話し合う人々

カスタマーサクセスとコンサルティングは多くの違いがある一方で、共通点もあります。まず、どちらも顧客のビジネスを成功させるための支援として業務を遂行します。両者は具体的な支援内容に違いがあり、カスタマーサクセスは自社プロダクトの活用を前提としたビジネス成功に重きを置いています。対するコンサルティングは使用するプロダクトではなく、顧客の状況に応じた戦略策定および実行支援にフォーカスしています。

 

また、顧客との関係性にも共通点が見られます。カスタマーサクセスとコンサルティングは、ともに企業へ深く入り込まなければいけません。BtoBのカスタマーサクセスであれば、各顧客のビジネスや組織体制への理解が不可欠です。顧客の情報を熟知することで、自社商品・サービスを利用し続けてもらうための的確な提案が可能になります。一方のコンサルティングは顧客の課題を解決するため、企業内部からの調査や従業員への聞き取りを行います。カスタマーサクセスと同様に、顧客のあらゆる情報を正確に把握しなければ、業務改善や人事制度の改革といった戦略を立案・提案できません。

 

カスタマーサクセスとコンサルティングの連携・相乗効果

カスタマーサクセスとコンサルティングは、これまで見てきたように多くの点で異なる職種です。しかし、ビジネスの継続的な成長を実現するためには、両者が対立するものではなく、互いを補完し合う関係として機能させることが非常に有効です。

 

戦略立案と実行の橋渡し

コンサルティングは、顧客企業が抱える複雑な経営課題を分解・分析し、幅広い視点から最適な戦略を立案することを得意とします。市場調査や競合分析を踏まえた精緻な計画は、顧客のビジネスの方向性を定める上で強力な羅針盤となります。

 

一方、カスタマーサクセスはその戦略を実際の顧客体験のレベルで具現化し、自社サービスを通じた価値提供を継続的に行います。コンサルが描いた「あるべき姿」をカスタマーサクセスが顧客とともに実現していくイメージです。両者の連携によって、戦略の立案から実行、そして継続的な成果創出までがシームレスにつながり、計画の一貫性を保ちながら顧客のビジネス成功を後押しすることができます。

 

相互補完がもたらす顧客へのメリット

コンサルタント的な視点(俯瞰した戦略設計・業界横断の専門知識)とカスタマーサクセス的なアプローチ(継続的な伴走・現場レベルでの課題解決)を組み合わせることで、顧客企業はより高い成果を得やすくなります。特に、SaaSプロダクトを核に事業を展開する企業においては、コンサルティングで描いた活用戦略をカスタマーサクセスが実行支援するという構図が、顧客のROI(投資対効果)を最大化する手段として注目されています。

 

また、カスタマーサクセスが日常的な顧客接点の中で得るリアルなフィードバックをコンサルティングの戦略改善に活かすことで、当初の計画が現場の実情からズレていった場合にも柔軟な軌道修正が可能となります。戦略を立案する側と実行に伴走する側が密に連携することが、両者の強みを最大限に引き出すための鍵です。

 

こうした観点は、コンサルティング出身者がカスタマーサクセスへキャリアチェンジする際にも重要な視座となります。「自分はどちらの役割をどのような割合で担いたいのか」を意識することが、転職先選びの精度を高めることにつながるでしょう。

 

コンサル出身者がカスタマーサクセスへ転職する際に把握しておきたいポイント

ボードに貼られた「POINT」のマグネットを指差す手

カスタマーサクセスの需要増加にともない、コンサル出身者がカスタマーサクセスへキャリアチェンジする事例は増えています。親和性の高い職種である点から、コンサル出身者はカスタマーサクセスへの転職後も活躍しやすい傾向があります。とはいえ、双方の職務には多数の違いがあるため、転職時の4つのポイントをあらかじめ把握しておきましょう。

 

1.顧客獲得から始めなければならないケースもある

ひと口にカスタマーサクセスと言っても、担当する業務範囲は会社によって大きく異なります。中でも多忙となる可能性が高いケースが、「オールラウンダー型」のカスタマーサクセスを要する会社への転職です。オールラウンダー型カスタマーサクセスは、セールスから​​既存顧客のサポートまで一連の業務を任せられます。営業による顧客獲得も担うため、業務が多岐にわたる点を事前に理解しておきましょう。一般的に、事業立ち上げから間もない会社や、新たにカスタマーサクセス部門を立ち上げる会社はオールラウンダー型を求める傾向があります。

 

2.SaaSビジネスが確立されている企業では、部門がより細分化されていることも

SaaS(Software as a Service)ビジネスの企業へ転職する場合、カスタマーサクセス部門の細分化が進んでいる点に留意しましょう。SaaSビジネスを提供する会社の多くは、月額料金制などのサブスクリプションモデルを採用しています。サブスクリプションはユーザーが気軽に契約しやすく、多くの顧客を獲得できるといったメリットがあります。一方で、膨大な顧客対応や解約率の高さが課題となります。

 

SaaSビジネス特有の多くの課題に対応するため、カスタマーサクセス部門の細分化が進んでいる企業が珍しくありません。「戦略立案」「サービス紹介や提供」「保守運用」と役割を細分化している場合、その分高い専門性を要求される可能性があります。

 

3.ハイタッチの顧客支援をいきなり任されることも

コンサル出身者は前職の経験を見込み、着任早々にハイタッチ業務を任せられる場合があります。カスタマーサクセスでは、「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3段階の顧客対応モデルを採用する会社が多いです。具体的な違いは、次の一覧表をご覧ください。

 

顧客対応モデル

対応人数

(担当者 対 顧客)

対象顧客

施策例

ハイタッチ

1対1

顧客生涯価値が高い大口顧客

個別のミーティングやセミナー、訪問、製品機能のカスタマイズなどの細かなサポート

ロータッチ

1対複数

ハイタッチの次に重要な顧客

一般的なセミナーや研修会、トレーニングプログラムなどの複数人に対するサポート

テックタッチ

1対複数

Web上のコンテンツで対応できる大勢の顧客

チャットボット、FAQ、マニュアル動画、メール配信などのWeb上のサポート

 

コンサル職は大手企業と接する機会が多い点から、コンサル出身者は重要度の高いハイタッチ担当者になりやすいと言えます。

 

4.提案に消極的な顧客もいる

カスタマーサクセスの活動をしようにも、サービスベンダーからの提案に消極的な顧客も存在します。コンサルティングの現場でも、従業員レベルではコンサルタントへ非協力な人がいる場合があるでしょう。しかし、あくまでコンサルタントは顧客から依頼を受けてプロジェクトを開始するため、経営層や管理職レベルでは協力的な人がほとんどです。

 

カスタマーサクセスはコンサルティングのようにプロジェクト単位で依頼があるわけではなく、自社商材の顧客へ能動的にアプローチします。したがって、中には単なるサービス利用以上の提案を求めず、従来のカスタマーサポートのように問題発生時の窓口以外の機能を求めない顧客もいるでしょう。コンサルティングとカスタマーサクセスの顧客層の違いをあらかじめ把握し、転職後のモチベーション低下を防ぎましょう。

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コンサル出身者がカスタマーサクセス転職時に企業から期待されること

腕を組んでいるスーツの人物

コンサル出身者がカスタマーサクセスに転職すると、コンサル経験を活かせる高度な業務が期待されるでしょう。前述の通り、コンサルタントは大手企業との取引経験を見込まれ、ハイタッチ業務を任せられるケースがよくあります。求人内容によっては、いきなり「カスタマーサクセスマネージャー」に就く場合もあるでしょう。カスタマーサクセス業務のマネジメントや顧客社内に深く入り込んでの調整を求められるため、より高度なスキルが必要になります。

 

注意点として、すべてのコンサルティングファームが大手企業と取引しているわけではありません。中小企業に特化している会社や特定の業界を専門的に支援する会社、小規模なブティック系コンサルティングファームもあります。「コンサル出身者=大手企業との取引経験が豊富」とイメージされやすいため、大手企業のコンサル経験が薄い場合は入社後のギャップに悩むおそれがあります。求職時に自身の経験やスキルをきちんと伝えておくことで、いきなり責任の重い業務を担当する事態を避けられるでしょう。

 

なお、ここまでお伝えしたように、カスタマーサクセスとコンサルティングの親和性は非常に高いです。大手企業との取引経験の有無にかかわらずキャリアチェンジしやすいため、「ブッティクファーム出身者はカスタマーサクセスに転職できないのか」と過度に心配する必要はありません。

 

カスタマーサクセスはコンサル経験を最大限に活かせる職種のひとつ

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客が自社の商品・サービスを最大限に活用できるよう支援する職種です。一方、コンサルタントは、専門知識やノウハウを活かし、クライアントの課題解決を目指します。どちらも顧客への「提案」や「ビジネス成功の支援」を行う点が共通しています。業務内容や役割、職務上のゴールといった点にこまかな違いはありますが、近しい職種です。そのため、コンサルタントはカスタマーサクセスに転職しても自身の経験を活かしやすく、キャリアチェンジ先として人気を集めつつあります。

 

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この記事の監修者

藤井 大旗

ウェディング業界を経て、新規の人材紹介事業の立ち上げに参画。20代若手層を中心に、キャリアアドバイザー業務とオペレーション構築を担う。立ち上げから約2年で、チームとしてGoogle口コミ★5を100件以上獲得する実績を残す。


現在は株式会社9Eにて、カスタマーサクセス職やSaaS/IT業界セールス職、および自身の経験を基にしたキャリアアドバイザー職の転職支援を専門とする。▶︎詳しく見る

 

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